学校づくりと組織拡大に全力を!! 憲法・教育基本法の理念がいかされた学校をめざして 学校づくり 組織拡大の大運動を全県で! |
和教組第六九回定期大会が、六月四日・五日に和歌山市のプラザホープで開催されました。自衛隊が派兵されたイラクでの戦禍の拡大、年金改悪法案・有事七法案など政治的情勢が緊迫している中での大会でした。
県内でさまざまな攻撃がかけられている中ですが、教育実践、教育条件の改善、組織拡大など、職場での元気な取り組みと、国政革新への決意など活発な討論が行われました。
今年も県PTA連合会会長(物部会長)から、祝辞をいただきました。「上富田の義家さんの講演会に参加したが、今年のPTAの全国大会が北海道であり、義家さんの話を聞くことになっている。PTAと組合はあまり話し合うことはないが、子どものことでは右も左もない。PTAはこわい存在ではない。子どものことでは、親も先生もいっしょ。何かがあれば、一人で悩まずにぜひ相談してほしい」と、PTAの取り組みを紹介しながら激励をいただきました。
田畑書記次長は、「賃下げ、学力テスト強行など厳しい情勢が続いているが、大きな前進も勝ち取った」と経過報告を行いました。四月までさかのぼる賃下げ額を全国でも例がないほど減額させた、少人数学級を拡大させた、ヤングジャンボリーに一、一〇〇人が参加し、青年部を中心に組織拡大や職場活動に元気が出てきたことなどを中心に総括の報告を行ないました。
武田書記長は、「今年新たにたたかいの柱として、二つの大運動を」と、方針提起を行いました。そして、@保護者や地域の人々との共同を広げ、憲法・教育基本法の改悪、文科省・県教委の「教育改革」に反対し、みんなの願いが生かされる学校づくりをめざす大運動、A一人ひとりの思いや願いに共感し合う温かい分会活動を広げ、仲間を増やし、組織の拡大・強化をめざす大運動、に取り組むことを提起しました。
長崎県の小学校六年生の女子児童が同級生を死亡させる痛ましい事件が起きました。この事件を「命の大切さを教え、この国、この郷土のすばらしさを教えていくことが大切だ」「党として参議院選挙までに教育基本法改正案の中間報告をまとめて発表する」と自民党安倍幹事長によって発言されたことは重大です。私たちは、改めて憲法・教育基本法に基づき、子どもの命をはぐくみ、子どもを人間として大切にする教育を父母・国民のみなさんと力を合わせて全力で進める決意を表明します。
文科省は、子どもや父母の願いと大きくかけ離れ、発展学習や習熟度別学級の促進など差別と競争の施策で乗り切ろうとしています。和歌山県では、全国に先駆けて高校通学区を撤廃し、県立中学校も設立しました。また、昨年、小・中学校で、「一斉学力診断テスト」を実施し、その結果を公表しました。地域ごと、学校ごと、学級ごとに下げ比べ、数字で競争させています。このように、子どもと教育をだめにするテストには反対です。
来年度から本格実施される「指導力不足教員制度」の実施要項がこの四月に発表されました。教育委員会や校長の一方的な判断で免職・転職を許さないようにしたいと思います。また、「学校評価」制度が本年度から小・中学校で実施されます。この問題については、子ども参加・父母参加という開かれた学校づくりという観点から職場論議を十分する必要があります。
憲法九条を改悪する動きも活発で、自・公・民三党は、憲法改悪を競い合っています。七月の参議院選挙で改憲勢力が多数を占めると一気に改憲の動きが加速され、〇七年の参院選挙と同時に「国民投票」が行われる危険性が高くなると言われています。平和憲法を守るにはこの参議院選挙は大きな比重を占めることになります。
最後に、この厳しい現状を乗り切るための闘う組織を拡大強化し、憲法・教育基本法の理念が生かされた学校づくりに取り組みたいと思います。
今年の和教組大会では、直前に起こった長崎県佐世保市の小学生殺害事件を受け、「競争と選別」の教育がおし進められる中で、「とても他人事とは思えない」「いつ自分の学校で起こっても不思議ではない」など子どもたちのおかれているきびしい現状が数多く語られました。また、大会二日目には参議院で大多数の国民が反対する「年金改悪法」が強行採決され、さらに教基法・憲法改悪の動きが強まるなど、まさに、子どもと教育、くらし、平和などの分野においても国のあり方の根本が問われている情勢の中での大会となりました。
討論では、文科省・県教委のトップダウンの「教育改革」や研修の押しつけ、授業時数攻撃などによって、押しつけ多忙が深刻化し、息苦しさが増す職場の中で、子どもと民主教育を守るために必死にがんばっている組合員の姿がリアルに語られるとともに、今こそ、憲法、教育基本法をいかし、子どもの声に耳を傾け、保護者、地域の人々との共同を広げながら、みんなの願いが生かされる学校づくりに全力をあげて取り組んでいく決意が熱く語られました。
組織の拡大・強化の取り組みでも、働きやすい職場づくりのために校長交渉を持ち、その取り組みを通して新しい仲間を迎えた分会、ヤングジャンボリーへの参加を訴えるために青年部と支部執行部がいっしょに職場訪問し、組合加入を訴えた取り組みなど元気の出る討論が相次ぎました。
大会では「憲法・教育基本法改悪阻止、押しつけ多忙解消、職場活動の充実で『組織の拡大・強化』と『みんなの願いが生かされる学校づくり』の二つの大運動に全力をあげて取り組んでいくことを確認しました。
また、七月の参議院選挙、八月の知事選挙で私たち教職員、子ども、保護者などみんなの切実な願いが実現できるよう、政治革新を求めて奮闘する決意を新たにしました。