全県一斉「学力診断テスト」で 和歌山の教育が危ない!! |
県教委交渉で明らかになった矛盾
県教委は「学習指導要領の到達状況をつかむ実態調査」と言っていますが、「到達状況をつかむ」のであれば、全県で、中学校五教科、小学校四教科、全員に実施を強制する必要はなく、抽出して実施しても十分実態はつかめるはずです。また、一回の「一斉学力診断テスト」だけではその到達状況は明らかになりません。「ゆとり」の教育や意欲・関心・態度を重視した「新しい学力観」はどこへいったのでしょう。そして、音楽や体育などの到達状況は必要ないというのでしょうか。まったく矛盾だらけのごまかしの「趣旨」で、受験学力だけの調査になっています。今のままだと通過率(正答率)だけが問題になり、「競争と選別」の教育の推進としか考えられません。これでは、子どもたちの成長したいという願いに応えるものにはなりません。
地教委・校長も「公表は不要」
和教組は、「学力診断テスト」について、全市町村の教育長を訪問しました。圧倒的多数の教育長さんが「公表には問題があり、配慮が必要」「公表するなと県教委に意見をだしている」「小規模校が多いので公表に応じるつもりはない」などの意見を表明してくれました。
また、県下の校長先生に実施したアンケートでは、「学校間の比較はよくない」「発表することで何を期待しているのか。競争原理を持ち出そうとするのは危険」「結果の公表は全く意味のないもの。こんなことが通るようでは和歌山もついに…」などと回答してくれました。まさに、「結果の公表は不要」という結論です。公表は、学校の序列化を産み、子どもたちを一層「競争と選別」の教育へとおいこむことになります。
子どもや教職員の実態を理解できない県教委
「学力診断テスト」は、父母・子どもたち、教職員の願いではありません。三〇人学級をはじめとする教育条件の整備をすすめること、職場の多忙な実態をつかみ「子どもと教育にゆとり」を取りもどすのが県教委の責任ではないでしょうか。