何かが始まる出会いの日 ・さあ、さわやかなスタートを ・出会いの日こそ… ・みんなの意見を聞きながら |
新しい年度、新しい学期が始まりました。子どもたちは、友達や先生との新しい出会いに希望と胸をふくらませています。
いちばん新鮮な気持ちで
入学式・始業式の後の教室は、一年のうちで子どもと教師がいちばん新鮮な気持ちで出会う時です。
この出会いの場で、教師は、自分の得意なことを大いにアピールして、「○○の△△先生」と売り込んだらいいと思います。それは大したことでなくていいのです。わたしは、手作りの算数教具や切り絵の作品などを紹介します。一方で、わたしは、ぐずで恥ずかしがりだった子どもの頃のエピソード(失敗談)を話します。長所も欠点もさらけ出して話すことで、子どもたちに親しみと安心感を持ってもらいたいからです。
子どもの人格を尊重して
子どもたちには、自分の得意なこと、努力しようと思うこと(学習面に限らず)、希望する呼び名などを語ってもらいます。
子どもたちの名前の呼び方は、以前は、父親になったつもりでと親にも断ったうえで、呼び捨てにしていました。でも最近は、子どもの人格を尊重して、「○○くん」「○○さん」と姓か名で呼ぶようにしています。
教室は、華々しく飾りたてるのは好きではありませんが、詩を書いたり、ちひろの絵を貼ったりして、春の装いにしておきます。
さあ、さわやかに一年のスタートです。
始業式、「担任の先生は、だれだろう。どんな先生かな」と子どもたちは、期待と不安を胸に抱きながら登校します。その期待に応え、また、不安な気持ちを和らげるためにも、子どもたちとの出会いを楽しく印象深いものにしたいと考えています。
今まで"学級びらき"に私がおこなってきた主なことは、次のようなことです。
一、子どもの名前を呼び、握手する。
私が四年生だった時に、転任してこられた先生が一人ひとりの名前を呼び、握手してくれました。それまでになかったことだったので、今でもその時のことを覚えています。また、子どもの名前は、事前に覚えておくようにします。
二、簡単なゲームをしたり作文を読み聞かせたりする。
ゲームは楽しいものを一つか二つ。作文は、始業式のことを綴ったもので、おもしろいものを一編か二編。そうして、始業式の日のことを作文に書いてもらうことを予告しておきます。
三、通信・一枚文集を発行し読み合う。
具体的には、教師の願いや自己紹介、さらには、好きな詩をのせてみんなで声に出して読み合います。
これらのこと以外にも、最近では「なぞなぞ」を出し、答えを次の日まで考えてきてもらうようにしていますが、子どもたちには、結構好評でした。そして、何よりも笑顔で接し、子どもの話に耳を傾け、一人ひとりをじっくり見ることも大切にしたいと思っています。
いつも四月の学級びらきはドキドキします。
何かが始まる。そして自分も子どもたちと新しい何かに向かって走り出したいのです。学級通信第一号は仲間の紹介として子どもたちの名前をのせ、出会いの詩、みんなが意見を出し合って仲の良い学級にとの願いをのせます。
うしろの黒板も春の詩やタンポポの絵を描くと、もうわくわくです。新年度はどの子も瞳輝き、胸ふくらませています。この気持ちを書いてもらい通信にのせます。次の日の朝、友の意見を読む目は真剣。友への信頼が広がり学級の前進を感じる時です。委員や係の仕事も楽しい取り組みを紹介しながら順調に決まっていきます。始めての学級会は学級委員が司会をしてみんなが意見を言います。一人ひとりが意見を発表し、みんなで決め守る事を大事にします。「心をぶつけ合ってわかり合えるクラスに」と決めた目標を大きい掲示物にしようと提案します。子どもたちの賛成でわいわい言いながら文字を白ぬき、まわりをクレパスでぬると大歓声が教室に響き、私も大感動の一瞬。この取り組みの中でリーダーになってくれる子もでてきます。一人ひとりに愛情を注ぎ、子どもたちに意見を聞きながら新しい学期の出発です。