和教時報

第1692号(2002/9/10)HP掲載記事

和歌山県に県立中学校は必要か
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和歌山県に県立中学校は必要か
シンポジウムに50数名

和教時報 第1692号 (2002・9・10号)より

 八月二十二日、プラザホープを会場に「和歌山に県立中学校が必要か」というテーマで、シンポジウムを開催しました。学校関係者をはじめ一般市民の方など五〇数名が参加しました。和高教の横出教文部長をコーディネーターに、パネラーは貴志川中学校の鳥居先生、桐蔭高校の西川先生、和歌山大学の市川先生です。


もっと多くの方の意見を

 今、貴志川高校、和歌山北高校はじめ四校で県立中高一貫校が計画されています。特に貴志川高校では、「来年四月の開校」だといわれていますが、まず、「県立中学校が是か非か問いたい」「県教委の進めるトップダウン方式について反対の意を表したい」という横出先生の発言がありました。

 県立中学校のことで現場では、「内容がはっきりしないので不安と混乱がある」「もっと多くの方の意見を聞くべきだ」「具体的なことがわからない」など、「どうなるんだろう」という現状が報告されました。


六年生に受験のストレス

 「全体像がはっきりしないので、不毛の論議だ」「教育委員会のやり方は、情報公開の時代に合わない」「社会の中で学校がどうあるべきかを考えるべき」など、市民の方からの発言がありました。また、小学校の教員からは「六年生に受験のストレスがある、矛盾が小学校におりてくることになる」と子どもたちの様子が語られました。中学生の子どものお母さんは「通学区撤廃で親も子も不安になっている。さらに県立中学校ができるときくと、わからないことばかりで、情報がもっとほしい」と訴えられました。

 和大の市川先生から「子どもアンケートでは、小六と中三でイラつき・ムカつきがピークになっている。ここに注目する必要があるだろう。中高一貫で入試が緩和される、六年というスタンスでカリキュラムにゆとりができるという良さが考えられるが、現実問題は無理だろう。ゲーム的な競争での受験にならないか、大学入試が存在する中でゆとりはないだろう。いずれにしても全体像が見えないのが問題だ」と指摘がありました。

 今後、県の「教育改革」についてさらに意見交換をしていくことを確認しました。


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