「つくる会」教科書 採択せず!! |
今年の教科書採択は、いつになく注目されています。それは、「新しい歴史教科書をつくる会」(以下「つくる会」)なる団体が、扶桑社という出版社から、日本の侵略戦争を美化する教科書を発行し学校現場にもちこもうとしたからです。和歌山県民の良識は、学校現場にこうした教科書をもちこもうとする策動をゆるしませんでした。
「つくる会」作成の教科書は、アジア・太平洋戦争を、「大東亜戦争」と記述するなど、侵略戦争を美化する歴史観にたったものですから、内外からの批判がおこったのは当然のことでした。
和歌山県では、副島昭一和歌山大学教授や歴史研究者・杉中浩一郎氏など八人の方々が、この教科書を批判するアピールをおこないました。アピールには、学者や教育に関心を持つ市民、朝鮮総連、韓国民団関係者など、各界からの賛同が寄せられました。和教組は教職員・県民のみなさんに、教科書展示会への参加や採択協議会に意見をあげることをよびかけました。
市民からも批判が
一方、「つくる会」教科書をもちこもうとする人々は、教科書採択に自分たちの主張をもちこみやすくするための請願を県・市町村議会におこないました。また田辺市でPTA会長がその地位を利用し、「つくる会」の藤岡信勝教授を招き講演会を行いました。田辺市教育委員会はそれを後援し、多くの市民から批判がおこりました。「つくる会」の立場にたった議員からの市町村教育委員会への圧力も、さまざまかけられました。
焦点になった田辺・西牟婁地方では、「田辺・教育と教科書の会」を中心にして、お母さんたちが市町村教育委員会へのはたらきかけをおこない、職場からは、教職員の思いを書き綴った寄せ書きを送るなど、大奮闘しました。その結果「つくる会」教科書は不採択となりました。
執拗な攻撃をはねかえした良識の勝利。今後、教育を守るたたかいへ発展させなくてはなりません。