第1640号(2000/7/5)HP掲載記事
どうみる総選挙結果 自公保激減
和教時報一覧へもどる
どうみる総選挙結果
自公保激減
和教時報 第1640号 (2000・7・5号)より
ゆきづまった自民党政治に痛打
二十世紀最後の総選挙は、 政権与党の自民・公明・保守党などがそれぞれ議席を大きく後退させ、 三三六議席から二七一議席へ六五議席減らしました。 一方、 野党は日本共産党が議席を減らしたもの の、 民主・自由・社民の各党は議席を大きく増やし、 「『巨大与党』 に対する、 強い違和感と反発の 表れ」 (六月二十六日付け朝日新聞・社説) となりました。
支持率急落の森内閣
この間、 失業率が増大し、 雇用不安・就職難が続いています。 年金・医療の改悪や 「保険あって介 護なし」 といわれる介護保険導入などで、 将来の社会保障に九割近くの人びとが不安を感じています。 国・地方の莫大な借金も、 むだな公共事業が原因であることも選挙の中で明らかになってきました。
しかし、 政権与党は、 この解決策を示さないばかりか、 三たび、 国民にだまって消費税の増税を検 討している事も明らかになりました。
さらに、 森首相の 「神の国」 「国体」 「国の借金は国民の財産」 「寝てしまってくれりゃいい」 などと いう発言は、 国の内外から大きな批判を受け、 森内閣への支持率が二〇%を切るまで急落しました。
民主主義を破壊する謀略ビラ
こうした厳しい状況に立たされた政権与党は、 政策での論争をすることができず、 三党連名の「民主 党批判ビラ」 「共産党批判ビラ」 を配布するとともに、 「反共謀略ビラ」 が配布されました。 そのビラは とくに都市部では何種類も、 かつてない規模で配布されたといわれます。 全教・教組共闘委員長は連名 の声明を発表し、 それは、 単に日本共産党にかけられた攻撃だけでなく、 「卑劣な手段による政治的・ 社会的道義に反した謀略行為」 であり、 「日本の民主主義の質と議会制民主主義の発展をゆがめる歴史 的犯罪」 であると、きびしく批判しました。
各地の選挙管理委員会も 「選挙違反」 とするほどの 「謀略ビラ」 がこれほど大量・組織的に配布され るなど、 これまでになかったことです。 「反共は戦争の前夜」 といわれます。 民主主義を踏みにじる行 為を絶対許すことはできません。
二十一世紀への足がかりを築いた
一九九〇年代
政権与党は、 このような「謀略ビラ」や、 民意を反映する比例区の削減によって、 引き続き過半数の議 席を獲得しました。 しかし、 二十一世紀を展望するにあたって、 一九九〇年代を振り返ってみると、 自 民党は一九九三年に過去最少の二二三議席を皮切りに、 九六年の二三九議席、 そして今回の二三三議席 と、 九〇年代に入り、 一貫して過半数を割りつづけています。
六月二十七日付け朝日新聞・社説でも、 「自民党は参院に続き、 衆院でも単独過半数を保つ力を完全 に失ってしまった」 「自民党の退潮は決して一時的なハプニングはなく、 もはや修復の利かない構造的 な要因に根ざしている」 と述べています。
過半数を維持したとはいえ、 自公保政権には今日の労働者・国民の願いに応える政治を行うことは不 可能であり、 この政権が続けば続くほど、 ますます矛盾が深まっていくにちがいありません。
こうした情勢に確信をもちながら、 引き続き、 国会内外のたたかいを強化し、 「子どもたちが人間とし て大切にされる学校と教育、 社会の実現」 をめざしがんばりましょう。
このページの先頭へもどる