和教時報

第1623号(1999/12/5)HP掲載記事

歌舞伎とともに歩む子どもたち
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有田・清水町
城山西小学校

歌舞伎とともに歩む子どもたち

和教時報 第1623号 (1999・12・5)より


歌舞伎写真1


歌舞伎写真2


歌舞伎写真3



  「とうとうたらりとうたらり、 鶴と亀とのよわひにて」 三味線の音色に合わせて、 元気のよい 張りのある声が体育館いっぱいに広がります。
 ここは有田地方の東に位置する清水町にある城山西小学校、 児童数三三名、 障害児学級一を含 む五学級の小さな学校です。
 校舎の西側には霊峰高野山に源を発する有田川が流れ、 川と校舎を含む集落を包み込むように 山々が迫ってきています。
 城山西小といえば 「二川歌舞伎」 とまでいわれるように、 十年前に学校教育の中に取り入れて 始まった子ども歌舞伎芝居は、 今や本校の代名詞となっています。
 この歌舞伎芝居 「壽式三番叟」 は、 祭神の化身 「姫の舞」 を初めとして、 「鶴の舞」 「鈴の舞」 の三部からなり、 三味線・太鼓・鼓・横笛・拍子木・謡にのって、 三階松の舞台を背景に絢爛豪 華に演じられます。
 この練習は、 年間を通して週一回一時間、 三年生以上二十四名で行っており、 職員はそれぞれ の専門のパートに分かれ指導しています。 また、 地域の人達 (歌舞伎保存会) は、 十月の発表会 が近づくと忙しい仕事の合間を見つけては学校に出向いて熱心に教えてくれています。 今年は、 兵庫県南光町で開催された 「全国子ども歌舞伎フェスティバル」 にも招待され、 総勢九十三名 (全児童・保護者、 保存会) で参加しました。
 今、 子どもたちは、 地域の伝統文化である 「二川歌舞伎」 を継承していくことに誇りと喜びを 感じています。 と同時に、 自分たちが生まれ育ったふるさとを愛する気持ちが芽生えてきている ように思います。 これからも、 地域の人達との交流を深めていくとともに、 本校の教育目標であ る 「豊かな人間性を育てる」 ためにさらに前進していきたいと考えています。 城山西小学校の宝 物 「壽式三番叟」 とともに……


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