和教時報

第1617号(1999/10/5)HP掲載記事

第32回教育要求県民集会
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昼間定時制の募集定員増を 不登校に対応する学校の体制を 複式学級解消

涙こらえた訴えに会場静か

第32回教育要求県民集会

和教時報 第1617号 (1999・10・5)より

 九月三〇日、 和歌山ビッグ愛で第三十二回教育要求県民集会が開かれました。 集会には、 和教組・和 高教をはじめ、 他の労働組合や和解連・よみきかせの会・登校拒否の子どもをもつ親の会などの団体と 学校のPTA役員や父母など、 一五〇名が参加しました。 県教委からは小関教育長をはじめ、 各課長な ど約三〇名が出席し、 参加者の切実な教育要求に耳を傾けました。

  「学校の相談室ができ、 不登校のわが子が登校できるようになった。 一人でも不登校児がいれば、 学 校に相談室を置くようにしてほしい。 毎年、 『来年はどうなるのだろう』 と心配しなくてもいいよう に」 不登校児をもつお母さんの言葉が響きます。 ときには静かに、 ときには涙をこらえ声をふるわせて 訴える言葉に会場は静まり、 県教委の出席者も真剣な表情で聞き入ります。
 山間地の学校からは複式学級の改善について訴えます。 二年生と四年生の学級になると、 教科の違い や発達の違いなどで十分な指導ができないこと、 来年は一年生と三年生の学級になり、 いっそう指導が 困難になるため、 複式を解消するための教員加配を要求します。
 主催団体の 「ゆたかな教育をすすめる和歌山県民連合」 (教育連合) は、 一九七〇年代はじめに結成 され、 高校全員入学などを県教委に求めて集会や陳情などにとりくんできました。 この集会には教育長 はじめ各課長が全員出席し、 県民の教育要求を聞くという全国的にも例をみないとりくみとなっていま す。 これまで、 高校募集定員増や教職員配置の改善など、 多くの成果を残してきました。 昨年の集会で、 障害をもつ青年が集う場として活動している青年学級から公的助成を訴えたところ、 「その活動の内容や 悩みなどを教えてほしい」 と県教委から連絡がありました。 去年、 県下で四ヵ所だった青年学級が今年 は九ヵ所に増えました。 助成額が少ないという問題はありますが、 障害をもつ青年たちが集い、 語り合 う場が増えたことは大きな成果です。
 いま、 学校や教育に対する父母・住民の願いは高まる一方です。 私たち教職員もこのような声をしっ かりと受け止め、 その実現のためにPTAや地域の人々とともに共同していくことがますます大切にな っています。

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