和教時報

第1615号(1999/9/15)HP掲載記事

各地域・職場ですすむ「1,000回教研」
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各地域・職場ですすむ「1,000回教研」

和教時報 第1615号 (1999・9・15)より

子どもの願い、悩みや感動語りあい 貴重な実践も

 今年の和教組大会で方針化した一〇〇〇回教研のとりくみが各地域・職場ですすんできています。
 空き時間に職員室で校則論議。 夏休みを利用しての一泊二日の教研。 子ども論議のなかで基礎学力を 重視している学校など、 子どもや教育のことが語られ、 貴重な実践も生まれてきています。
 それぞれの職場で気軽に子ども論議や教研活動をすすめましょう。

空き時間に職員室で校則論議

 A中学校の職場で、 「靴の色を自由にしてほしい」 の子どもの声をきっかけに生徒会がアンケートを実 施。 職員室で空き時間の先生が、 そのアンケートを見て校則論議が始まりました。
  「どうして、 ひもつきの白い靴でないといけないのか、 自由になると何か学校教育に不都合が出てく るのかな、 校則は何のためにあるの?などと、 時間は短くても論議がはずみました」 と教文担当のK先 生。 職員会議でも子どもの声をもとに話し合いができたとのことです。
 その後、 子どもたちは学級会などで話し合い意見をまとめ、 生徒会として校長先生への申し入れ活動 も。 最終、 生徒総会で 「走るのに適した運動靴。 色は極端に派手でないもの」 と校則改正が実現できました 。

「一泊二日で五回分の職場教研」

 B養護学校では、 夏休みに入り、 「むろべ」 で一泊二日の職場教研を実施。組合未加入の先生方にも 「一緒に行こう」 と呼びかけて講師の先生含め十人が参加しました。
 一日目は、 グループホームや精神障害者の施設の見学と話を聞いての学習。 田辺市からの補助金もあ り、 地域とつながりながらの活動に感動。
 夜は、 「むろべ」 で高等部のグループ学習の実践報告をもとに討議。 友だちや自分のことをしっかり 考え語り合う青年期の子どもたちの姿がリアルに報告され、 一人ひとりの子どもの顔が浮かび上がるほ どに討議が深まりました。 一杯飲みながらの話し合いでは、 子どもや学校のこと、 悩みごとや楽しいこ と、 好きな人のことも?……時間の経つのも忘れいっぱい語りあえました。
 二日目は、 南紀熊野体験博と熊楠記念館の見学。 「一泊二日で五回分の職場教研になった」 と教研係 の先生。
 参加された先生方は大満足の研修になったとのことです。

「基礎学力をつける実践を『総合的な学習の時間』に位置づけよう」

(C中学校で)

 ある中学校の職場で荒れる子どもたちのことを語り合っていくうちに、 「あの子たちは勉強を分かり たいと訴えている」 「五〇分授業が苦痛になっている」 「仲間と一緒にがんばる喜びを実感させてやりた い」 などの意見が職員室の中に広がっていきました。
 四月はじめの職員会議で、 基礎学力をつけることと仲間づくり・班づくりをすすめることを合意。 それまでの五〇分授業を見直し四五分授業にして、 漢字・英単語・計算などの基礎的な学習を班で学び あう時間を新設。 全校的なとりくみをすすめるなかで、 徐々に授業を放棄するようなことが少なくなっ てきています。
 このとりくみをすすめるなかで、 今後導入される 「総合的な学習の時間」 には、 とってつけたような 実践はやめようと全教職員で合意。 基礎学力をつけるとりくみや、 これまで大切にしてきた人権学習や 進路学習などのとりくみを、 この 「時間」 に位置づけようと論議がすすんでいます。
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