和教時報

第1607号(1999/6/5)HP掲載記事

ハーグ国際平和市民会議に参加  全教書記次長 武内正次
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すべての国で戦争禁止、 日本国憲法9条のような決議の採決を!
ハーグ国際平和市民会議に参加して

全日本教職員組合(全教)書記次長(和教組特別執行委員) 武 内 正 次

和教時報 第1607号 (1999・6・5)より

 五月十二日から十五日まで、オランダのハーグで 「戦争のない21世紀をもとめる」 ハーグ国際平和市民会 議が開催されました。 この会議は、一八九九年にロシア皇帝の呼びかけで、日本を含む二六カ国がハーグで 第一回国際平和会議が開催され、一〇〇周年を記念しての会議でした。第一回会議では、「ジュネーブ条約 の原則を海戦に適用する条約」「軽気球より爆発物を投下することの禁止宣言」「毒ガスの散布を目的とす る投射物の使用禁止宣言」など、 三つの条約と三つの宣言が採択された歴史的な会議でした。

一〇〇カ国・七九〇>組織・八〇〇〇名が参加

 今回の会議は、日本原水協も加盟している国際平和ビューロー、反核国際法律家協会、 核戦争防止国際医 師会議、NGO国際組織により呼びかけられ、オランダ政府が後援して開催されました。そして、コソボ空 爆がつづくなか、一〇〇カ国・七九〇組織・八〇〇〇名(うち日本四〇〇名)が参加登録しました。開会・ 閉会集会では、アナン国連事務総長、そして、ツツ大司教、ジョディ・ウイリアムス(地雷禁止)などノー ベル平和賞受賞らが報告をおこない、ユーゴ空爆にふれ 「紛争を平和的に解決することは可能だ」「NAT Oにもノー、ユーゴにもノーと言おう」など発言がありました。
 しかし、全体集会や分科会に参加してさまざまな報告や証言を聞きましたが、アメリカへの批判をはじめ 、コソボ問題や各地での紛争がなぜ生じたのか、その問題はどこにあるのか、そして解決するために何をす べきなのか、という論議が少なく、「NATOの行為には正当性がある」と公然と発言する人もありました 。
 結局、NATOのユーゴ空爆などに対してハーグ平和会議全体としての意思統一はとれませんでした。

若者たちの行動が21世紀への展望開く

 こうした状況の中でも確信になったことはたくさんありました。
 この集会に一五〇〇人の若者たちが参加していました。 彼らは、被爆者の証言を聞いて「何らかの行動を しようと」会場近くの国際司法裁判所まで、核兵器廃絶・ユーゴ空爆中止を掲げデモ行進をおこないました 。若者たちのさまざまな行動は、戦争も核もない21世紀をつくるうえで、大きな確信を与えてくれました 。
 また、閉会総会での一〇項目の行動提起はすばらしいと感じました。「すべての国の国会が、自国政府の 戦争を禁止する、日本国憲法第九条のような決議を採決すること」という項目をはじめ、国際司法裁判所の 裁判権を受け入れること、地雷禁止条約を履行すること、などを明らかにした内容で、これからの世界平和 にとって重要な課題を具体的に提起したことですばらしいものでした。
 この会議に参加できたことを確信にして、引き続きがんばりたいと思います。
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